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どこにあるんだ法律書 フランクフルト1 

フランクフルト書籍見本市

フランクフルト・モーターショーなど国際的な見本市が開催されるので有名なフランクフルト・メッセで、今年も大規模な書籍見本市(ブーフ・メッセ)が開かれるとのことなので、行ってみることにした。

25年前にドイツ旅行をしていた際にも、帰国間際にフランクフルトに滞在していたところちょうどこのブーフメッセをやってたので見に行ったことがある。バス代をケチってユーゲントヘアベルゲ(ユースホステルね)から徒歩で会場に行った。

大きな体育館のなかに出版社の小さいブースが並んでいて、出張してきている各出版社の社員が割と暇そうにブースに座って自社の書籍目録を配っている、そんな印象だった。よく覚えてないが、そのころの様子を報告したホームページを発見。
https://4travel.jp/travelogue/10513215
入場料はいくら位だったか・・・。旅の終わりの金欠学生の私が思いつきで入場したのだから、せいぜい10マルク(ユーロじゃなくてね)くらいだったんじゃなかったか。

今回もホームページを見てみれば、入場料は20ユーロ。高くなってるのかどうかは確信がないが、物価の変動を考えればこんなものかなと。

というわけで、こころなしか遠足気分で、今年のブックメッセにいってくることにしたよ。

まずは降り立つフランクフルト中央駅。
正面には大きな字で「ニュルンベルク」の文字が!
あれ?ニュルンベルク来ちゃった?電車まちがえた?ってな、毎回ちょっとドキッとするわけだ。

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いや、ニュルンベルガーって新聞の広告看板なんだけども。紛らわしいことこのうえなし。幾多の旅行者をびっくりさせてきたのだろう、この看板は。

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振り向けばフランクフルトの文字があるんだけれどもね。

気をとりなおして、地下鉄へ乗り場へ。

中央駅正面の地上階コンコースには、臨時の書店が。

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ブックメッセ気分が高まってくる。

地下鉄U4で、ひと駅隣のメッセ駅へ。

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階段を登れば会場入口前には、古本屋のテントが並び、蚤の市状態。

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入り口奥からエスカレーターにて1階(日本的に言うと2階)のチケットブースへ。

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チケットブースは三十箇所くらいあり、それぞれ係員が待機中。そのなかから適当に突入。アジア系顔立ちのお姉さんだった。

私「ハロー グーテンターク!」(流暢なドイツ語)

お姉さん「ハロー、エクスキューズミーサー なんたらかんたら!」(しかし返しは英語)

私「ゔぃっ? ウィービッテ?」(それでもめげずにドイツ語)

姉「お~、なんたらかんたら ビジネスなんたら!」(だけどやっぱり英語) 

もう面倒なので日本語吹き替えでお送りすることにしよう。

私「え~、ビシネスって?わたしプライベートで入場したいんだけど」

姉「んーそれでも必要なの、こうゆうやつ」

といって誰かの名刺を見せてくれる。あー名刺ね、ビジネスカードね。

予想外だったが財布の奥に曲がって汚れた名刺が一枚残っていたので、その英文側を見せる。お姉さんそれをよこせというジェスチャー。なんか恥ずかしいが渡す。お姉さんそれをスキャナで読み込んで、私の名前と肩書をキーボードで入力。脇のモニターに私の名前が表示される。

姉「これでいい?名前のスペルあってる?」

私「はい?・・・まあ、あってますけど」

なんでこんなことするのかな。まあいいや。

私の外見があまりに貫禄にあふれているのでビジネス目的と思われたのだろうか。久しく切っていない髪、裾出しチェック柄シャツ、チノパン、スニーカー、カンケンのリュックサック、メガネ、小太りというカジュアルな服装だが、まあ商談目的のイケてるベンチャー企業の社長にみえなくもなくはないようなあるような、いややっぱり無理。

姉「オッケー それでは料金は74ユーロです」(はあと)

私「ファッ?いまなんと?えーと47ユーロって言った?それとも14ユーロ?あっ17ユーロかな?」

英語とドイツ語の数字が頭の中を飛び交い一瞬大混乱に陥ったが、事前調査では入場料金は20ユーロだったはず、金曜で平日だから割引で17ユーロなんだな、きっと。

私「17ユーロですか?」

姉「いいえ、74ユーロです。」

一瞬の希望的憶測を打ち砕く念押しのお姉さんはすでに憐れみの表情。

私「ええぇ・・・、なんでぇ・・・それ一番安いチケットですか?」

お姉さん手元の手控え的資料を見せてくれた。

姉「ごめんなさいこの資料ドイツ語なんだけど、ここにほら、74ユーロって書いてあるの」

いや、私さっきからドイツ語で喋ってるつもりなんですけどもと、細かいことにも心粉砕されつつ更に粘る。

私「もっとやっすいチケットないんですか!?ワタシ観光客、ミルダケね」(動揺するドイツ語風言語)

姉「あー・・・、明日はフランクフルトにいる?」

私「いやぁ、うーん、いないけれども」

姉「そう、それじゃ残念だけど、今日はこの値段なの、ビジネスデーだから」

 

ビジネスデーだから!

 

なんということでしょう!今日は一般公開日ではなかったのです。ビジネスデー。

出版社や取次の社長や重役や営業部員・編集者・著者・書店経営者などが集って集って名刺交換してブースでコーヒーを飲みながら出版権や翻訳権をあれこれしてヒソヒソと儲け話をするというあのビジネスデー。

はあ、ビジネスクラスじゃ料金もお高いですわ。

おおグリュースゴット!あ、違ったオーマイゴット!

完全に調査不足である。明日土曜日だったら20ユーロだったところ、今日だと74ユーロ。一万円・・・。

差額は54ユーロ、七千円・・・。

さあてどうするか。明日出直すにしても一日潰れて鉄道の往復料金もかかる。業者じゃなくても門前払いされず、入れてもらえるだけでラッキーとするか・・・。

私「はい・・・理解できましたです、チケットください・・・クレジットカード使えます?ああよかった・・・」

姉「これがチケットです、楽しんでくださいねっ!(はあと)」

はい?そうですね、親切なお姉さんどうもありがとう・・・です。

楽しみましょうかね。観光ですからね、ビジネスじゃなくて・・・。

しかしどうやって差額54ユーロと心の折り合いをつけますかね。元とれますかね54ユーロ。

転んでもタダでは起きないって、口で言うのは簡単ですけど、どうすりゃいいですかね・・・。

ボールペンとかいろいろ記念グッズをもらいますかね。どうせガラクタですけどね・・・。

パンフとか出版目録とか貰いまくりますかね、とっても重いですけどね・・・。

ブログの記事にでもしますかね、お値段プライスレスですけどね・・・。
五年も更新してないんで誰も読んでないでしょうしね。それでも記事にしますかね。
明日来て同じ記事書いてもよかったんですけどね・・・、まあしょうがないか・・・。

というわけで、いまだに心はプライスレスで転びっぱなしの状態だが、泣く泣く久しぶりに記事を書いている次第である。

ともあれ、心と足を引きずりつつ、VIPで高価なビジネスチケットを握りしめて入口ゲートへ、バーコードを読み込んでもらって通過、その先に荷物チェック防犯ゲート。

カンケンのリュックサックを全開に開けてぐっと突き出すと警備員のお兄さんはちょっと引き気味であっさりオーケーサインをくれた。

隣の列では明日のコスプレ大会で使うつもりであろう大きな剣だか弓がチェックに引っかかって立ち往生している。

勝った!なんか勝った気がする!

この小さな成功体験で少し気分が良くなる。

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それ武器?ですかね・・・。コスプレ大会は明日のはずなんだが。

足取りも軽くさらに進む。

進むんだがなかなか会場につかない、案内に沿って一旦ビルを出てようやく中庭に、そこにはイベントのブースや食事の屋台がいくつもあり、その周りをブックメッセの会場ビルが囲んでいる。

これ、全部会場かな?S__9879609_2


どうやら、メッセ・フランクフルトを全部使っているようだ。

メッセ会場は、広さ世界第三位、東京ビックサイトの四倍だ。(参考URL)。これ全部書籍の見本市って?なにがしたいんです?なにしてるんです?25年前はもうすこしこじんまりとしていたはずだが。

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広すぎる!

ああっ、もうどこに行けばいいやら。

法律書はどこにあるんだっ!?(やっと本題に入る)



とりあえず目の前にあった3号館に入る、地上階入口から入るといきなりブースブースブースの嵐である。

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3号館地上階はどうやら小説などの普通の書籍がメインの出版社のエリアの模様。
広めのブースで著者らしきおばさまが握手会をしていたり、ちいさな舞台の上で数人のおじさんが座談会をしていたり、まあまあのお祭り気分である。

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映画の新作が公開されたせいで、まちなかの本屋でもハリポタコーナーができてるが、日本とはなんかイメージがちがう。

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日本のドイツ語フリークにはおなじみ、ドゥーデンにランゲンシャイトのブース。

一般書籍エリアなので、法律書は見当たらず。
とおもっていたところ、なぜがドイツ連邦政府のブースが。ならんでいるはパンフレットばっかりだが、まあ、法律書ではある。

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ペッパー君も連邦政府職員として勤務中

場内をうろうろする

そして、でたー!  ドイツの有斐閣ことC.H.Beckを発見。早くも法律書発見か、とおもったところが、ここは歴史書系列の書籍のみで、法律書はなし。

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更に探索をつづける。

法律書もないし、日本系の出版社も見当たらない。すれ違う東洋人はみんな中国語か韓国語を喋っている。
25年前はもっと簡単に日本の出版社のブースが見つかったような気がするのだが・・・・。まあ、あの頃はまだバブルだったなあ、出版社も経費余ってたんだなあなどと考えながらふらふらしていると・・・

日本語発見!

日本の出版社だ。非常に有名な会社である。

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発行書籍も「○○の法」シリーズが有名で、ようやくドイツで日本の法律書に遭遇か。

 

 

なかでもベストセラーは「太陽の法」・・・って、

 

 

 

新興宗教かーい!

見回してみたらここは宗教書エリアで、周りでは聖書の出版社が並んでいる。

 

ああ、またやられた。ちょくちょく法律書に紛れてくるんですよここの書籍、最後に「法」ってつけてくるから。
教祖の名前の最後にも「法」がつくのでしょうがないのか?関係ないのか?よくわからないが。

もうね、ワタシの講義「法学入門」を履修している学生さんたちによく言って聞かせたい。たしかに「なにか「法」に関係のある書籍をさがして読んでみてくださいねー」って課題出した、でもこれは漠然過ぎた、正直今は反省している。

しかし「○○の法」とか「○○を○倍楽しむ法」とかはたぶん法律書ではない。「家の本棚にあったから」ってのは全く言い訳にならない。さらに「止血法」も「恋愛必勝法」も「ラマーズ法」も「金冷法」も法学関係ないので注意していただきたい。

 

気を取り直して、法律書探索を続ける。

3号館は地上階のうえに更に上階があり、これだけでもかなりの広さだが、会場棟はまだ他にもある。そちらへ移動。

今年のテーマは「ジョージア」。日本ではちょっと前まで「グルジア」と呼んでいた東欧の国だ。いたるところにブースがあり、ノベルティーも気前よく配っている。エコバックのセンスがよかったので、もらってみた。

会場棟一つを独占してパビリオンを設置しているが、正直ちょっと広さを持て余している感じ。頑張れジョージア、明日があるさ。
缶コーヒーが飲みたくなったが、そんなものは売っていないので、仕方なく、そう仕方なくビールで休憩。
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さあ、半分回っても一向に法律書がみあたらない。
闇雲にあるいても広すぎてだめだ、インフォメーションでも簡単な地図を配っているだけでどこにどんな会社が入っているかがよくわからない。

日本の出版社も、さっきの新興宗教のほかに行き当たらない。

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国際出版社のエリアが設定されていても、日本は参加していない模様。

日本大丈夫か?メッセ会場のすぐ隣のタワービルにはフランクフルト日本領事館が入居しているはず、まさにお膝元での大イベントで、日本の存在感ゼロである。

まあ、領事館の仕事は見本市での広報じゃないんでしょうけども。

それにしても広過ぎでよくわからない、なにがどこにあるやら、大企業のはずのベックすら見つけられない。

とおもってふと見てみると、書籍のパンフに混ざって、会場案内の冊子らしきものを発見。
いや、これインフォメーションでわたしてくれるとか、チケットと一緒にくれるとかしてくれよお、チケットお高いのにさぁ!(思い出してしまった)。
これでようやく、法律書は四号館の2階にあることが判明、そちらへ急ぐ。

ありました。ベック

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そのすぐとなりにいくつかの法律出版社。

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パンフ配ってる

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でも、これだけ。んー。

ほかにもあるはず。

もう少し歩いてみて、

これとか
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これとか
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もう疲れてきた。すでに入場から4時間経過。

今日は見本市なので、書籍の販売はない。見るだけ。いくつかパンフをもらって退散の準備。

しかしまあ、せっかく来たので、日本ブースをさがす。

ありました。日本企業合同ブース。

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漫画が中心。

隣の中国ブースは日本の五倍くらい。

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国力というか勢いの差を感じる。

頑張れ日本。ちょっと寂しくなったというか。日本のプレゼンスの低さに不安になった次第である。

さて、今日の総括だが。
法律書はあった、けど少なかった。
日本は全く存在感なかった。
入場料金は事前に良く調べよう。

以上である。

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