どこにあるんだ法律書 青森

青森、といえば空手の秘伝書を求めて世界中(シンガポールとか)から武道家が集う場所である。空手の秘伝書は見つかったようだが、はたして法律書はあるのだろうか。

青森県にはオーセンティックな法学部がない。というより大学も多くはない。
青森市には青森大学、青森中央学院大学、青森公立大学、県立保健大学。
弘前には弘前大学と弘前学院大学と東北女子大学。
八戸には八戸大学と八戸工業大学。

このなかで法学部といっていいのは青森中央学院大学の経営法学部というのが平成10年にできている、それだけだ。

念のため書いておくと国立行政法人の大学は弘前大学で、青森大学というのは私立大学である。関東や関西で青森大学の名刺を渡すと「おや、青森の国立大学の先生が、わざわざこんなとこまで」とねぎらってくれるわけだが、説明が面倒なので大抵そのままにしておく。

何で国立大学が弘前にあるのか、詳しくはしらないが、もともと津軽藩のお城は弘前にあった。余談だが、弘前城の桜はそれはもう見事なので、ぜひ一度見ていただきたい。津軽藩は戦国期から江戸時代を通じて、安定して栄えた地域である。というより奥羽山脈があるので、南からは浸入しにくいというかほって置かれたので、殿様が変わることなく長期安定政権だったわけだ。明治維新までは。

廃藩置県で津軽藩と南部藩の一部が「北のほう」としてなんとなく区切られたのが青森県の始まりである。お城のある弘前と、すでに栄えていた八戸と、どっちを県都にするかの綱引きが始まるわけだけれども、

お城のあった格式ある弘前にしたいところだが、なんせ東京からの交通の便がわるすぎる。直線距離だとあんまりかわらないが、地理的には八戸の方が圧倒的に東京に近いのだ。東北本線しかり、国道4号線しかり、みんな八戸を通って北上していく。東北新幹線は現にいまでも八戸までしか開通していない。東北自動車道が八幡平(はちまんたい、と読む)を貫いて弘前を経由したのは、つい最近のこと。

なら八戸にするかというと、東京に近くて港町で栄えていたとはいえ、藩都だったわけでなし、弘前は納得いかない。

じゃあどうするか。そう、困ったときは真ん中だ。蝦夷開拓で津軽海峡を渡る屯田兵が通過してちょっと栄え始めた港町、青森はどうだ、ということで青森市に県庁が設置されたとかそうじゃないとか。北海道開拓は明治政府の重要事業だから、青森に政府の出先機関があった方がよかったんじゃないかと。だから双方これで納得しろと。
関が原のときとか明治維新のときとか、いずれも立場をことにした両地域なので仲がわるく、収まりがつかないのだ。青森県庁の人事はいまだに津軽と南部のたすきがけだそうな。
まあ、そんな感じで発展した青森県なんで、県の中心都市は三つある、青森・弘前・八戸だ。

三つもいらないよ。三国鼎立、三国志じゃあるまいし。というわけで、地方都市の全国的な衰退もあいまって、どの都市もたいへんな状況ではある。

青森市
というわけで青森市は、県庁所在地の割りに、いまいち盛り上がりに欠ける街である。
本屋も多くない。そんな中で最大手が「成田本店」である。
メインの店舗は青森駅からメインストリートを5分くらい歩いたところにある。
なるほど、ここが本店か。支店はどこかな。いやそうじゃなく。
「本店」というのは「本を売る店」という意味なんで、「本店・支店」というのではない。よって青森市内には「成田本店○○店」というのがたくさんある。初めて目にするとなんだか某司法試験予備校がやたらと「飯田橋本校」「水道橋本校」とか本校だらけなのを思い出してしまうが、あれとは違う。

その成田本店なわけだが、メインのお店でも面積は近頃はやりのショッピングセンターの文教堂とかくまざわ書店とかよりも狭いかもしれない。

この店にとっては小売よりも、大学やら県庁への納品の方が多いだろうから、面積がどうということはないかもしれない。全体的な品揃えは、まあ、普通だ。地方の有力書店ということもあり、郷土関係の棚があるのは、お約束。
では法律書はどうだろうか。うーむ。まあ仕方ないかな。
1学年百人ていどの法学部が一つあるだけでは、法律の専門書なんて、たくさんおいても売れないしね。青森地裁の関係者はどうしているのかなあ。弁護士だっているはずなのになあ。とおもったら青森県は県民あたりの弁護士の数が日本一少ないとのこと。さもありなん。青森市内で法律書を立ち読みするのは、ちょっと困難です。

弘前市
前述のように、弘前はもともとお殿様とその家来が住んでたまちであるから、町並みも桶屋町・鍛冶町・鉄砲町・紙漉町など名称からしてそれなりに趣があり、商店街も古い店がおおい。文明開化は青森市よりも弘前市に先にきたのは確かだとはおもうが、フランス料理の街という人もいるが、そこまで言い切っていいかどうかは微妙。


ようこそ、フランス料理の街へ
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とはいえ弘前には伝統のある、あの司馬遼太郎もあこがれたという弘前大学がある。医学部のある規模も大きい大学だ。
だから書店も、なんと紀伊国屋がある。
お城からのびた二車線一方通行の商店街の一等地に、ワンフロア構成のわりと広い店構え。青森県では最大・最良の書店ということになりそうである。
しかし紀伊国屋、有名どころだけれども法律書は期待できないだろう。いままで全国の紀伊国屋書店を何店かまわったが、新宿店以外は法律書はいまいち。弘前も、市内に法学部も無ければ裁判所も支部しかないし、弁護士だって10人しか登録していない。法律書は無理だろうなとおもっていたら、やっぱり無理でした。青森市の成田本店よりは若干マシなのはほめてあげたいところだが、どっちもがんばってる部類にはいらないので、やっぱりほめてあげない。

八戸市
八戸市、東京から青森に行くときに、電車で何度も通過したし、自動車でも三回ほど通ったが、書店については未調査です。ごめんなさい。

県内の書店の一覧は
http://www.aomoritosyo.co.jp/syoten.htm をどうぞ。
一覧できちゃうとこが悲しいな。ま、というわけで、青森県で法律書を立ち読みして買おうというのは、なかなかに困難である。ま、必要なものはアマゾンで取り寄せればいいんだが、それを言っちゃあこの企画の趣旨がぁ・・・・・。

ううむ。青森は、冬になると雪で足止めだし(自家用車がFRで、貧乏でスタッドレスタイヤ買えない)長い休みは東京に戻ってきちゃうしで、細かい書店めぐりまでできなかった。そんなこんなで後ろ髪ひかれるが、引っ越すことになりました。
青森県よありがとう。またいつか。

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どこにあるんだ法律書6 仙台

今回は仙台

東北最大の一極集中都市仙台は、仙台駅前が一極集中で、なんでもここにある。でかい本屋も駅近くにたくさんある。まずはジュンク堂だが、これが2店舗も構えている。

ジュンク堂仙台ロフト店
仙台駅の改札から、普通に外に出ると、二階の部分から巨大な歩道橋網の上にでることになる。地上のバスターミナルの上を縦横に歩道橋が走り、駅前の各ビルにアクセスしている。
その出口から真正面に見える黄色い看板が、デパートの「ロフト」。このビルの6階に仙台ジュンク堂ロフト店がある。
駅から早速歩道橋をずんずんわたっていくと、ロフトビルの隣のビルで、目に飛び込んできたのはなんと書店の廃墟だった。緑の看板に「アイエ書店」と書いてある。どうやらすぐ隣にジュンク堂が進出してきたので、とうとう耐えられなくなったのだろうか。閉店したばかりのようで、ガラス戸越しには、本がなくなった白い本棚ががらんと並んでいて、物悲しいことこのうえない。調べてみると仙台駅前では、地元老舗の協同書店が99年、高山書店駅前店は2000年にそれぞれ撤退したようだ。書店戦国時代は伊達じゃない。いや仙台は伊達だ。なに言ってんだって>俺。

ともかく閉店したアイエ書店の前を通過し、デパートロフトに入る。エスカレーターで上にあがるが、書店と文房具店ていうのは相性がいいし、ロフトは文房具店というよりデパートだけれども、東急ハンズと並んで品揃えに特徴があるから、書店と同じビルにあるのはうれしい。
そういえば、ジュンク堂新宿店のビルの下もロフトが入居してなかったかな。それに大宮もロフト。ロフトは西武系の会社なんだから、リブロ書店と組んでもよさそうなもんだが、まあジュンク堂をここまで有名にした田口さんはリブロ出身だし。なんらかの太いパイプがあるんでしょうね。

それはともかく、エスカレーターをあがっていくとジュンク堂に到着。ロフトの上にあるということは、想定客層は若者、店舗の雰囲気も明るくていい感じ。商品も雑誌・コミック・新刊・ビジネス書が中心となる。だがしかし、そこはジュンク堂なわけで、専門書もそれなりにおいある。法律書もどこぞの大規模書店、前回紹介した三省堂名古屋店などよりも豊富だ。さすがジュンク堂。

だがしかし・・・惜しい。法律書の並べ方がなってない。「民事訴訟法」の棚がちゃんとあるから、感心しかけたのだが、なんかおかしい。よく見ると「会社更生法」の本がごっそり「商法」の棚、思ったとおり「会社法」の隣にならんでいるのだ。これはまずいよジュンク堂。名前は似てるけどさ。もう少しがんばりましょうね。
ジュンク堂名物の椅子もあまり見当たらないし。普通の大きな本屋ってとこですかね。とはいえこんな店舗が隣にできたら、アイエ書店もたまりませんな。

でもいいや、許す。ここは一般書志向だから。本店はすぐ近くにあるんだから、そちらに期待。

ジュンク堂仙台店
ロフト店から歩いて3分、97年開店のジュンク堂仙台店は、イービーンズビルにある。
イービーンズって、あの、日興證券の子会社?ではなくて、単なるファッションビルの名前である。
このビルの7階にジュンク堂がある・・・はずなんだけど、このビルはなんだ?小さいテナントがたくさん入っていて、1階は特に女性向けの衣料が多い。客も制服の女子高生とかが多くて、陳列してある商品も服なのか下着なのか判別しがたい女性用夏物がならんでいて、おじさんは目のやり場に困るのである。しかたなく目をそらすとそこには「コーヒー豆ひき売り」の店を発見したりして、いったいこのフロアはどんなコンセプトなんだ。
エスカレーターで順次上に上がると、電気店、食料品、百円ショップ、フィギュア専門店、楽器店、いろいろ。ここは高円寺かそれとも香港か!というくらいの混沌としたファッションビルである。それでもって、ビルの躯体は、かなり古い。天井は低い。その低さを何とかしようとしたのか、天井板をはずしてあるから、ダクトとスプリンクラーのパイプや配線が丸見えで、これくらいはまあよくあるが、そこにたっぷりと埃が積もっている。そんな状況だから、まるでビル全体が倉庫のようで、これは賃料が安そうだ、却ってジュンク堂への期待が高まるというものである。
そう思いながら6階へ到着。ワンフロア全部が売り場になっているから、それなりに広い。
そして、最初に目撃したのは机の列である。

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椅子じゃないぞ、机。いやもちろん椅子もあるんだけど。この立派な机は何?
ここは図書館か!とかツッこむとジュンク堂は喜ぶんだろうな。ならここでパソコン広げて論文書いてもいいですか?よろこんでもらえますか?やっぱりちょっとやりすぎじゃ?
机が微妙な大きさだから、誰か一人が座ってると、その差し向いが座りにくいよぉ。「ご相席よろしいでしょうか?」なんて一声かけないといけないような微妙な大きさ。客も腰を据えすぎるからなかなか空かないし。
ここまで場所をふさぐならスターバックスコーヒーみたいに、でっかいソファとかおいてほしいな。寝ちゃうかも知れないけど。

そういうわけで、実際に利用するにはアレなんだけど、この思い切った顧客満足獲得作戦は潔い。さらにいうなら、店内にはカフェがある。それもエスカレーターの目の前で、スタンド式の売店でコーヒーやら売っていて、そのまわりには六人がけのテーブルが数台並べてある。

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もちろんここはコーヒーなど飲みながら、「検討中」の本を「閲覧」できるスペースだ。机の上には「お飲み物をご注文以外のお客様はご遠慮ください」とかいてあって、ここまでやるんならもう好きに使わせればいいじゃないかとも思うが、ともかくこのような設備は、ないよりあった方がいい。
ところがこのカフェ、なんとなくいまいち。ただでさえ広い店内の中央で、それもエスカレーター前という人通りの多いところにあるので、なんか落ち着かない。それで置いてあるテーブルと椅子は、木製の茶色くてそれなりにいい椅子なんだが、硬いから、トータルで言うと要は学食で本を読んでるような、そんな落ち着かなさが漂うわけだ。惜しいなあ。店内には、文学書とか歴史書が並べてある妙に落ち着いたスペースがあるんだから、そこに設置したなら良かったのに。

そんなカフェスペースを横目にして、まずは雑誌・文庫エリアへ足を向けると、急に視界がひらけた。突然天井が高くなったのだ。売り場の半分は、妙に低い天井で、残り半分は妙に高い天井。境目あたりの床をみると、鉄板が張ってあるから、どうやらこのビルは大規模な増築を繰り返していて、ジュンク堂のある七階部分は、天井の位置が一致していないようだ。天井が高くなっても、ダクトパイプとかスプリンクラーの配管が丸見えなのはほかとおんなじ。特にスプリンクラーって改築が面倒なんですよね。あれは火事のときに水が出るわけだけども、いざ火事になってから水圧をかけるのでは停電やらなにやらで訳に立たないかもしれないので、常に何トンかの水圧をかけておいて、吹き出し口のヒューズが熱で溶けたら自動的に水が噴射されるという仕組みだから、常に高い水圧がかかってるわけで、かといって水漏れは許されないわけで、ということは設置や移設にはえらく高いコストがかかるわけで、そういうわけでいろいろそのまま使っているに違いない。まあいいや、天井が低くても高くても。丸の内丸善みたいに届かないくらい高い本棚があるわけじゃないし。
いずれにせよ、古いビルに大量の本があって、渋谷の大盛堂書店を彷彿とさせるが、もう書店というより倉庫といったほうがふさわしい。仙台ロフト店より、本店の方が数段ロフトチックな店舗なのは、洒落のつもりだろうか。

本題の法律書だが、これは天井が低い方の、それも端っこにある。
まず目に付く棚は「六法」だ。

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この棚全部で6本あるんだが、これに全部「六法」の表示がされている。さすがにそんなにたくさん六法があるわけないのでこの棚に並んでいるのは法曹会発行の冊子とか、判例百選とか、日本評論社のコンメンタールとか、いろいろである。もしかしてこの売り場の設計者は、六法を1法ずつ別々に棚に並べようとしたのだろうか。んなわけないとは思いつつ、会社更生法を会社法に分類しちゃった仙台ジュンク堂だ、一抹の不安を覚える。
不安を覚えつつ棚をめぐる。在庫量はさすがに豊富で、レアな在庫も散見されるわけで、たとえばはこの写真。

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証拠法の方は、これは第五巻が最近出たばかりだから、今はほかの書店でもわりと並んでいる。注目はその隣の二冊。んー、なんというか。信山社の書籍って、市場性がないけど良い本ばかりで、まあ大抵高いけども、どうしてもほしくなるときがあるから、本屋に並んでいてくれるとうれしい。だが、そうは何冊もないのが普通なんだが、二冊も仕入れたのにはなんか理由があるんだろうか。ほかに同じレベルでレア本がたくさんあるというわけではないので、これをして「レアな在庫も豊富」と評価するかどうかは、微妙だ。

とはいえ、総体的に品揃えはたいへんよろしいようで。仙台でもジュンク堂の地位はゆるぎない模様。

法律書売り場を離れて店内を一周。すると驚く光景が飛び込んできた。なんとこの書店「地図売り場」が異様にでかい。近時大型書店でも地図売り場といえば、ロードマップと旅行ガイドを並べているのがせいぜいだが、ここは違う。国土地理院発行の五万分の一、二十万分の一はもちろん、なんと二万五千分の一地図が、全国網羅されて、引き出しにおさまっている。

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これには驚いた。その昔は、新宿三省堂や、新宿紀伊国屋にもこのようなコーナーがあった。しかし「ワンダーフォーゲル」やその昔、山登りなんてすっかりはやらなくなったから、無味乾燥な地形図の需要は減る一方、おまけに一枚の紙だから店頭に並べるとすぐ汚れるし、種類は多いし。客としても買って帰っても特殊な折り方をマスターしないと使いづらいことこの上ないから買わないし。とても商売にならないのだろう、新宿三省堂は模様替えのときに地図売り場がなくなったし、新宿紀伊国屋も地図売り場が地下に移動して、しばらく「地図専門店」なんて看板を掲げていたが、いつのまにかなくなってしまった。それに引き換えここはどうよ。感動した。

感動しつつ7階へ。ここは学習参考書、洋書、絵本などなど。売り場面積は6階の半分。どうやら6階の天井が高い部分が、7階の面積を侵食しているようだ。
特殊な雰囲気のジュンク堂に圧倒されつつ、次は丸善に移動。

丸善仙台アエル店
丸善仙台店は、仙台駅の出口から北にほんのすこしあるいた、アエルビルにある。アエルビルまでは、例の巨大な歩道橋の上ををわたっていける。歩道橋の上からそのビルに入ると、当然2階部分からアプローチすることになるが、丸善は1階にあるので、看板がよく見えないのがかわいそうである。ここにあるはずだよなぁーと思ってビルの案内図をみるが、

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この写真じゃよくわからないが、どこにも丸善とは書いてない。一階部分に「書籍」とすら書いていない。ビルの二階は、ファッション系のテナントが入っている。ジュンク堂があったイービーンズビルとは比べ物にならないくらい普通の女性用ブランドなので一安心だが、ほんとうにここでいいのかな、と思いつつ、エスカレーターを下りると、巨大な書店の真ん中に到着することになる。
書いとけよ、こんなにでかいんだから。一年前に開店したばかりとはいえ、案内版は、常に更新してほしいものである。
書籍売り場は、ビル一階のワンフロア構成である。普通の新しいビルだから天井はそこそこ高いが、丸の内丸善のような極端なことはない、居心地のよいほどよい高さである。書棚の高さも普通だから、上の方の本がとりにくいということはない。でも人の身長はそれぞれだし、低い人もいるんだから、脚立がほしいときもあるだろう。数は少ないが店内には大きめの脚立が用意されている。

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ん?この脚立、どっかでみたな。ああそうだ、丸の内丸善においてあった、あの脚立とおんなじだ。全国一括大量購入したんだろうか。それとも丸善オリジナル脚立なんだろうか。まあ、邪魔になるほどでもないし、これは顧客サービスとしては評価できる。

ところで余談だが、丸の内丸善では、この脚立だけでは飽き足らず、というか、本棚が高いのでこれに乗っても届かないか不安定で怖いという苦情が殺到したに違いない。先日いってみたらさらにパワーアップしていた。

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どうだ、手すりまで装備している。これなら安定して乗れるが、はっきりいって本当に邪魔だ。ここまでしたらモーターを装備して乗ったまま電動で移動できるようにしてはどうか。ちなみにその向こうで本を選んでいるのは、ひげが写っていないから検証しづらいが、某サイバー民訴学者である。
話は仙台に戻る。

というわけで、仙台丸善の店内は、椅子や机もないし、不可もなく綺麗で落ち着いた、普通の大規模店である。

法律書売り場は広め。在庫もまあまあである。ジュンク堂にはちょっと及ばない感じだが、一通りはそろっている。そして、今回仙台ではこの店のみで在庫の確認ができたのが、この本。


いや、この本があるから在庫がレアだとかいう失礼な趣旨なのではなくて、なんというか、知り合いの本がおいてあったのでうれしかっただけ・・・。つまりは、ジュンク堂よりもビジネス客を意識しているのか、専門書というよりは、ディープなビジネス書が充実していると、そういいたいんだよぉ、鶴ちゃん

この店のいい点は、法律書よりも、その環境にある。駅から程近いというは前述したが、それ以外にも、同じフロアにカフェというか、喫茶店というか、レストランというか、位置づけは微妙だが要はビールが飲めるカフェがある、カールスバーグの看板がでてたからたぶん飲める。検討中の書籍は持ち込めないが、それはそれでいいんじゃなだろうか。実は、買う前の本を見ながらコーヒーとかを飲むという行為は、汚したら買わなきゃいけないかなあなんて考え出すと、小心者の私にとって実行しにくいので、それほどポイント高くないのである。だが、散々あるいて、本を選んでその後落ち着いた喫茶店で、ゆっくりと買ったばかりの本のページをちょっと「眺める」これが至福の時。そんなわけで、仙台丸善はいい。それだけでなくて、2階に上がるとエスカレーター脇にスターバックスコーヒーがある。ここでコーヒーを買ってもいい。スタバの前にはビルの2階エントランスが広がっているが、ここはガラス張り吹き抜けの明るい空間で、そこに大きなパラソルつきのテーブル・ベンチが三組ほどおいてある。ここでコーヒー飲みながらしばし本を読むのも快適かも。

そしてさらに、このビルの七階より上には、なんと公立図書館が入っている。このアエルビルは自治体が関係した施設のようである。図書館に寄る時間は無かったが、上の図書館で調べものをして、蔵書が無ければ下の大きな書店へ。これは実に強力な組み合わせだ。

そういうわけで、仙台で法律の調べものをするなら、図書館の閲覧席に荷物をおいて、蔵書が無ければ丸善へ、丸善にも無ければ、そのままジュンク堂へちょっと遠征、帰りにスタバで息抜き、というのが正しいパターンなんじゃないだろうか。

仙台市民がうらやましい。


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どこにあるんだ法律書 5名古屋

名古屋に行ってきた。もちろんこの「どこにあるんだ法律書」のための取材旅行である。そろそろ全国展開を検討するまでになったのだ、わが社は。

で、その名古屋だが、景気が沈滞する日本経済にあって、唯一元気な地区、がんばってるな名古屋、そういわれて久しい。名古屋までいってみてようやく気がついたが、そういえば今年は万博を名古屋でやるんだった。万国博覧会はそこらのデパートの展覧会とは違う、世界中から珍品があつまり、それを見ようと観光客があつまりと、そういうイベントである。その観光客を当て込んで、ホテルはドカドカできる、空港は新しくできる、空港から街までの鉄道はできる、周辺の高速道路も次々開通、とくればゼネコンに巨額の金が落ちるのはもちろん、その下請け孫請けの名古屋あたりの土建屋が潤うのは当然である。そうくれば土建屋の社長の娘がビトンのバックをもって髪を立巻きにして街を闊歩したとろで不思議はない。波及効果は大きかろう。これで名古屋が潤わないほうがおかしい。逆に万博の後が心配だ。

そんな名古屋に取材旅行に行ったので、ちょっとついでにほかの用事を済ました折に先様に、法律書を買うときはどこに行きますか?と質問したところ、大規模書店はジュンク堂、三省堂、丸善とのことだった。

丸善
名古屋駅に戻る途中栄駅を通るので、途中下車して、まずは丸善名古屋支店にいってみることにした。
場所がわからないし、事前の調べもしていない、知っているのは栄の駅から遠くないということだけ。駅前に降り立ち、ネットで調べる。もちろんパソコンではなく携帯でグーグルを検索する。この携帯用のグーグルサイトは、データは本体のグーグルと同じだから、街角でのネット検索には欠かせない。「名古屋 丸善」で引くと一発で丸善名古屋支店のサイトがヒット、電話番号も出ている。iモードではゼロで始まる10ないし11桁の数字は電話番号と認識して、リンクがつくので、そのままクリックして店に電話をかける。
場所を聞くとすぐ近くだった。歩いていくと、「丸善ビル」が目に入る、角に面していて入り口が二つあるようだ。入っていくと、そこはいきなり文房具売り場で、地球儀が二十個くらい並んでいて壮観であった、ちょっとディズニーシーを思い出した。奥に行くがいくら行っても本が見えない、ここは本当に書店か?と不安になったころ、ようやく雑誌売り場にたどり着く。1階の3分の2は文房具売り場で占められているようだ。
店舗は4階建てで、2階が文系、3階が理系の書籍とのこと、雑誌売り場の横にエスカレーターがあるので、それで2階に上がる。

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法律売り場は2階の中心部分にあるし、エスカレーターからも近いのでアクセスしやすい。売り場面積はそれほど広くない。丸の内丸善を見てしまった後には物足りないが、日本橋丸善思えばこんなものか、なんとなく懐かしい雰囲気である。法律書売り場の特色といえば、一番気になったのは、民事系図書と刑事系図書の占める割合が同じだったことだ、民事系は民法から民訴から破産法まで、メインの棚の右側を埋めている。そして同じ量の刑事系、つまり刑法と刑事訴訟法の書籍が棚を占めているのだ。これはなにか意図があるのだろうか。別に刑事系の図書を軽んずるわけではないが、どう考えても民事系の書籍のほうが種類は多いはずだ。これは無理やり民事と刑事で量を平等にしたつもりなのだろうか。だとしたらこの棚の担当者は法律を知らないといわざる得ない。あるいはもしかしたら担当者が大学か大学院で刑事訴訟法を専攻したので、つい刑事系の書籍が多くなってしまっているのかもしれない。なにしろ民事法の書籍がそこそこ貧弱なのに、刑事系ときたら成文堂の刑事関係の書籍がズラリと三十冊ほどならんでいるのである。この本、早稲田前の成文堂本店にだって置いてあるかどうかというレアな書籍だ。というわけで刑事系の書籍なら、ちょっとアレ、じゃなくてレアかもしれない。
一方民事系はというと、こっちはちょっとアレである。一番目立つところに妙にレアな書籍が置いてある。
一瞬在庫書籍の多様さかと思って期待するが、よく見ると箱が破れている。注文があって返品ができない書籍を仕入れたものの、結局売り損ねたものが並んでいるだけかもしれない。不良在庫というわけか。それいがいは、まあ、普通に品揃えが悪いと。そういう状態である。

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不良在庫か、箱にはセロテープの跡がついている。

ちょっとがっかりして3階へ昇ってみる。理系図書が多く並んでいるのと、売り場の3分の1は洋書売り場である。これがなくちゃ丸善とはいえない。なんだかんだいっても、丸善はこの洋書の品のよさで、ポイントが高い。

ちょとトイレに行きたくなって、3階の売り場から外れてトイレへ向かう、と、そこに広がる風景は、驚愕であった。そこには広いエレベーターホールが広がっていたのだ。

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4層しかない、それも上下エスカレーターが完備された書店で、エレベーターが5基もある。これはもう、紀伊国屋新宿本店には激しく反省していただきたい。というより、こんなにエレベーターいらないとおもふ・・・。

気を取り直してさらに上、4階へ上がってみる。あらら、書籍はゼロ。並んでいるのは鞄とか、セーターとか、ジャケットとか、革靴とか、舶来の生地がずらりと並べられている。そう丸善は書店というよりは、舶来物の商社なのだ。しかし、この商品を買う人がいるだろうか。世代の感覚が違うのかもしれないが、ちょっとアレなんじゃないかと思った次第。まあ、年配のお父さんとかにプレゼントを探しているときには、なかなかの品揃えであることは保証しよう。
ということで、書籍売り場はさほど広くないなかで、法律書売り場は、まあがんばっている方だろうか。

さて、次の店へ向かう、残りはジュンク堂と三省堂。まずはジュンク堂を目指すことにする。ジュンク堂の場所もわからないのだが、駅の近くということは聞いているので、とにかく名古屋駅へ戻る。そしてまた携帯を取り出し、ググルわけだが、これがうまくいかない。「ジュンク堂 名古屋」でクグれば、たしかにジュンク堂の総合サイトには行き着くのだが、いろいろとフレームなどを使っているようで、名古屋支店の情報にはたどり着かない。結局よくわからないのである。近頃はiモードで検索する人も多いだろうに、ジュンク堂のホームページはもう少し考えたほうがいいのではないだろうか。しかたなく、そのうち看板でもあるだろうと、地下街をさまようことにするが、果たして行き着いたのは三省堂の看板であった。どうやら三省堂は駅ビルの上のほうと、地下街にそれぞれ大規模書店を構えているようだ。この際だから三省堂の地下街店を偵察することにする。

三省堂地下街店
 名古屋駅周辺の地下街は広い、そこをさまよって、どこかの端まできたら、目の前に三省堂の看板が見えた。地下街から、またさらに下に行くようだ、地下2階か。エスカレーターを下りると、大規模というには少し狭いが、それなりの書店があった。しかし人通りの多い地下街にある書店である、法律書は期待できようはずもない。案の定、「法律」という棚自体がなく、「法務」である、要はビジネス書と六法が置いてある程度。まあしょうがない。

そもそもここに来たかったわけではない、ジュンク堂を探しているのだ。地図売り場で名古屋の地図を見てみるが、ジュンク堂は見つからない。もうこうなったらしょうがない、人に聞くしかないだろう。そこでレジ横にあるカウンターで伝票書きをしている女子店員に声をかける。

「あのーすみません、ジュンク堂はどこでしょうか」

いっておくがここは三省堂である。ジュンク堂とはライバル店だ。果たして教えてくれるかどうか。店からつまみ出されるんじゃないだろうかと不安がよぎる。

「はい、ジュンク堂でしたら地下街の○○ロード6番出口をでたビルの一階です」

さわやかに教えてくれた。おまけに頼みもしないのにメモ用紙に「○○ロード6番 堀内ビル1F」と書いて渡してくれる。

「○○ロードはわかりますか?」
「いやあ、よくわからなくて」

すると奥から地下街の案内図を持ってきて、広げて説明してくれるではないか。いやあ三省堂、実に社員教育が行き届いている。私はとてもよい気分で、何も買わずに店を後にした。目指すはジュンク堂である、でも三省堂の店員さん、どうもありがとう。

ジュンク堂
三省堂の案内にしたがって地下街をずんずん進むと、程なくジュンク堂があるはずの地下街出口にたどり着いたが、ジュンク堂の看板は見当たらない。これでは初めての人は、地下街からはなかなかたどり着かないかもしれない。
とにかくあがってビルの正面にまわると、ジュンク堂があった、1階のみのワンフロア構成のようだ。

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そこそこ広い。そして、ジュンク堂といえばあの図書館のような縦置き書棚である。名古屋店も例外ではなく、もう聳え立っている。全館これ縦置き書棚、社長はだいぶこだわっているようだ。しかしこだわりすぎたのか、平積みスペースを作り忘れたらしい。店長は困ったのだろう、後から平積みスペースを増築している。

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まあ、物事はほどほどにということか。

ところで法律書だが、これはもうたいしたものである。池袋店にはわずかに及ばないような印象だが、それでも量が多い。レアな書籍もちゃんとある。丸善の4倍は優にあるとおもわれる。さすがジュンク堂、期待を裏切らない。名古屋の法律家は、ジュンク堂へ走れ。

さて、ジュンク堂に満足したら、あとは東京へ・・・。あれ、そうだ三省堂を忘れてた。地下街店で親切にしてもらったから、なんか満足してしまった。駅ビルの上だから、まあ偵察して帰るかな。

三省堂
三省堂の名古屋本店は、名古屋の駅ビルに入っている高島屋デパートの11階にある。デパートの書籍売り場ね、地下街とコンセプトが変わらないんじゃないか。
あまり期待できない、そう思いながらエレベーターをおりると、はなんとまあ広いこと、売り場の反対側は霞がかかって見えないくらいである。
とりあえず反対側まであるいてみる。ここまでに随分あるいて体力を消耗していたせいもあるが、店内を一周するだけで、息切れするほどの広さである。ジュンク堂の6倍はあろうかという面積。店内では遭難する客が多いのだろう、何ヵ所もあるレジのそこかしこに店内案内図がおいてある。

この案内図はレジ横につんであったので、レジの女子店員に声をかけてみる、なにしろ社員教育のゆきとどいている三省堂である、期待がたかまる。

「あのー、この店の売り場って、面積どのくらい?」
「は?、あのー、ちょっとわかりかねます」

さわやかな笑顔で返してくれた。しかしそういわれても、しばし沈黙してみる。
頼みもしないのにメモ用紙に「ちょっとわかりかねます」って書いてくれるんじゃないだろうかとおもったが、さすがにそこまではしてくれない模様。

「大体でもいいんだけどなー」
「はー、ちょっとわかりかねますぅ」

相変わらずさわやかな笑顔である。きっと売り場面積は企業秘密で教えられないのだろう。それをはっきり言うと客の気分を害すから、知らないふりをするように教育されているに違いない、きっとそうだ。恐るべし三省堂の社員教育である。
というわけで面積はわからなかったが、とにかく広いのである。ここまで広くなくてもいいだろう。もしかして、ビルがあまってるんじゃないのか、名古屋。

で、こんなに広い三省堂書店だが、法律書売り場はびっくりするくらい狭い。丸善の4分の1くらいだ。量がこんなんでは、充実度も察して知るべし。がっかりである。それに棚の構成が不思議だった。六法がないなーとおもって探したら、なんと「新宗教」の棚に六法が並べられている。

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六法って、新宗教なんだろうか。これがマコツの本とかであれば、新宗教とか言われてもまあ、無理やり納得しないでもないが、六法全書とか模範六法である。なんか釈然としない。
まあ、売り場スペースは余るほどあるから、法律書売り場でも本の並べ方は豪快である。岡村・鈴木著「これだけはしっておきたい個人情報保護法」これは一般向けの書籍だから、いろいろな書店で平積みされているが、しかしここまでたくさん並べることはないだろう。

2

法律書はがっかりだったが、この面積だから一般的な書籍はそれはもう大量においてある。一見の価値がある。駅からも近いし、というか駅ビルの中だから名古屋にいったらぜひ行ってみてほしい。


結論だ。名古屋で、法律書を買うならジュンク堂。一般書を買うなら三省堂。父の日のプレゼントを買うなら丸善。これでキマリである。

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お助けブック

丸善でもパラリーガルクラブのお助けBOOKシリーズは平積みだった。
ヤフーブックスだと、「法律、社会」分野では先々週2位、先週4位のランキングである、たいしたもんだ。
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手書きのポップ広告までしつらえてある。あのウサギとかのイラストは、意外と女性店員受けしているのかも知れない。それにしてもそのポップには「お助けブックシリーズ全5巻」と書いてあるのに、2巻しか並んでいないのがかなしい。
おーい弘文堂さん、あとの3巻、早く出してくださいよー!
弘文堂のドル箱といえば伊藤マコツのシケタイシリーズだが、このたび「行政法」を出すとの大きな広告が12月2日の日経新聞にあったので、ちょっと見てみようかとおもったがみあたらない、店員に聞くと「発売が遅れて来年だそうです」とのこと。広告打っておいてそれはないでしょう。がんばれ、弘文堂・・・・。

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どこにあるんだ法律書 4

どこにあるんだ法律書 東京駅界隈

新宿駅近辺を長らく活動領域にしていた僕にとって、東京駅は、山手線の反対側の遠くにあるオフィス街との印象がつよかったから、本を買いに行くのにわざわざ遠征をすることはあまりなかったので、それほどの思いいれはない。
でもお父さんたちの世代にとって、ビジネス書を買うなら八重洲ブックセンターが、洋書を注文するなら丸善が、相当なステイタスシンボルだったに違いない。
今だって、新聞の片隅に「今週のベストセラー(八重洲ブックセンター調べ)」なんて記事があるとつい見てしまうし、このランキングに顔をだすために、著者や編集者がリュックを背負って八重洲ブックセンターで十冊単位でまとめ買いしてるらしいなんて噂はいまだによく聞く。
僕だってかつて共著が出たときに、なにしろ共著者が多かったのでそれぞれが自分用に数冊買うだけでかなりの数になることが見込まれたから、「みんなで日を決めて、一斉に八重洲ブックセンターに注文出しましょうよ!」なんて提案をして、顰蹙を買った経験があるくらいだ。

そんな八重洲ブックセンターは1978年オープン、1200坪に在庫150万冊はむろん最大級だ。法律書の品揃えも、わざわざけなすほどではない、規模なりに充実している。
だがしかし、なんかこう、法律書売り場が「暗い」のだ。フロアの端っこにあるせいか、照明が古臭いただの蛍光灯だからか、壁の上の方まで書棚がしつらえてあって、たくさんの本が並んでいるのだが、その商品にきちんと照明が当たっていないのである。店内を歩いていて、あんまり楽しくないのである。
それと、この本屋の決定的な欠点は、書棚の並べ方が変則的で、歩きにくいということである。フロアマップhttp://www.yaesu-book.co.jp/floormap/2f.html をみればわかるが、エスカレーターと反対側にある書棚は、なぜか斜めに並べられているのである。はたしてこの配置にどんなメリットがあるのか、よくわからない。私だけかも知れないが、頭の中に地図を思い描くとき、東西南北なり、地図上に四角いマス目を思い描いて空間を把握する。ところが、八重洲ブックセンターの書棚はその原則に反しているから、さして広くもない法律書売り場でよく道に迷うのである。つまり、さっき手にとってみたあの本をもう一度みたいなあと、元の場所に戻ったつもりが、なかなか見つからないのである。フロアの「あの辺」というイメージと、斜めになった通路へのアプローチがずれているのが原因だろうと思う、迷ったといってももちろんすぐにたどり着けるのだけれど、ストレスがたまるのは確かである。同様のストレスは一階の新刊雑誌売り場でも同様だ、http://www.yaesu-book.co.jp/floormap/1f.html もうわけがわからない。
開店当時の、いまとなっては「ふるい時代のモダン」なフロア配置なのかもしれないが、いい加減やめたらどうだろうか、ちっともおしゃれじゃないし。書棚は壁に対してきちんと直角に置いてもらいたい。
それから、文庫本、コミック等は、本店での取り扱いはなく、500メートル程はなれた地下街の「八重洲地下街店」に行かないといけない、ちょっと不便だし、この点はホームページ等に明記していただきたいものである。
蛇足だが、私は二宮金次郎は尊敬している。だから玄関前に二宮翁の銅像が飾ってあるのは、かまわない。かまわないが、「金次郎に金箔をはってみよう」という企画は、いったいなんなんだろうか。いまでもやってるんだろうか。金次郎の銅像のまえに、金箔をいれた箱と銭箱が用意してあって、お金をちゃりんといれて、2センチ30円の金箔を買う。これを銅像に貼り付けると「学業成就」なんだそうだ。うまく張り付かなかったときのために、アラビアのりまで用意してある。金次郎だから金箔かあ。しかし修学旅行の集団が立ち去ったあとに、二宮翁の股間付近だけが金箔で輝いていることも一度ならず目撃したことをおもうと、どんなもんかなあと思う次第である。

東京駅近辺の書店で、八重洲ブックセンターと両雄並び立つといえば「丸善」だ。日本橋本店は、東京駅からは少し歩かざるえないのが悔やまれたが、日本橋高島屋の向かいという、好立地だった。それでも、日本橋本店は、それほど広くもないし、八重洲ブックセンターに比べると、法律書も驚くほど少ない品揃えだった。それでもいい、なにしろ丸善の存在価値は洋書にある。外国の法制度を移植した日本の法学者にとって、外国の法律書ほど重要なものはない。そんな本を入手するには、自分で外国まで買いにいくか、知人に送ってもらうか、業者を通して輸入するしかないのだ。
考えてみれば、日本人の海外旅行自由化が1964年、ドル持ち出し規制が解除されたのが1968年、ドル変動相場が始まったのが1971年、プラザ合意で円高になったのが1985年と、いずれもごく最近の話である。洋書を入手するには、最近まで様々な障壁があったのだ。だから個人の注文で洋書を取り寄せてくれる丸善のような書店は、貴重だった。それゆえ、現在中高年世代の知識人ならば、丸善といえば憧憬とノスタルジーを感じるはずである(ちなみに私は感じない、世代が違う)。
その洋書輸入も、現在となってはアマゾンで注文すれば一週間で激安価格で宅配される。アマゾン.com(アメリカ)だけでなく、アマゾン.de(ドイツ).fr(フランス)でも事情は一緒、流通している書籍ならあっという間に届くのだから、丸善の出番はもうないかもしれない。なにしろ、円高になった後も、アマゾンが台頭するころまで、とんでもない為替レートで商売をしていたはずだ。手数料代わりとはいえ、釈然としない思いを抱いた覚えがある。丸善は絶版となった書籍を、海外の古本屋で探してくるサービスを充実させるほかないだろう、これならそれなりの手数料は納得だ。
で、本店在庫の貧弱さゆえに洋書輸入にのみ存在意義のあった丸善も、環境の変化故か、質的変換を決意したようだ。つまり「在庫量を誇る大型書店」への挑戦だ。近時、都心部では大型書店の新設が相次いでいるが、その流れのなかで、丸善は丸の内に巨大な新店舗を出店したのである。もちろんオープン当日に行ってみた。

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圧巻である。法律書売り場も広い、池袋ジュンク堂をしのぐかも知れない。その広い法律書売り場が一階にあって、アクセスしやすいのが嬉しい。そして目を見張ったのが在庫のラインナップである。通常の意味でのレアな在庫もそこそこあるのはもちろん、驚いたのは版元品切れになっているはずの、著名な講座物や記念論文集がいくつも目に留まったことだ。いったいどこから仕入れたんだ?としばし呆然とするが、やがて丸善の意気込みに気迫を感じる次第である。天下の丸善、ビジネス書激戦区、新規大型書店といえば、在庫で勝負なのは明らか。店の倉庫に眠っていた在庫、支店に死蔵していた流通在庫、日販・トーハンの在庫、沽券をかけて在庫をかき集めたようだ。そんな書籍は追加の仕入れは無理だから、行くなら今、急げ丸善へ、ってもう一ヶ月たってるから手遅れかも知れませんが。

在庫もさることながら、店内のきれいなこと、高い天井、大きな吹き抜け、間接照明、とても書店のビルとは思えない。いやほんとに、これ書店用に設計したんじゃないだろうと思う。ビルの企画・設計の時点では、高級ブランドショップでもいれるつもりだったんじゃないだろうか、でも途中でいろいろ事情が変わって、丸善のテナント入りとなった次第、と邪推する。
なんでそう思うか、まず天井が高すぎる、書店には不向きだ。高い天井近くまで聳える書棚に詰め込まれた万巻の書籍、眺めるだけなら壮観だが、手に取ってみようとすると・・・手が届かないのである。担当者は「しまった」と思ったろう、その証拠に店内にはいたるところに移動式のでっかい脚立がごろごろと転がっている。

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書棚の間の通路は広めに取ってあって好印象なのだが、この脚立が邪魔なことこの上ない。そしていざ高いところにある本をとろうと思うと、見当たらないか、誰かが使っている。やっと確保して上ると、これがけっこう不安定で怖い。女性がヒールなどをはいていたり、ミニスカートだったら使うのをためらうだろうと思う。

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(僕の後姿ではありません、念のため)

開店当初の今でこそ、この脚立は数もあるし、ローラーもスムーズで移動も楽だが、あんなものは半年もすればすぐにガタがくる。そのときガタついた脚立引きずってその上に登らされるようなことがあったら、イメージもがた落ちだろうと、今から心配してしまう。そうではない、高い天井は、これからの書店の必須条件なのだ、という哲学があるのであれば貫徹していただきたいが、それだと三階より上の売り場の天井が低いという事実についての説明がつかない。
それから、妙に使いづらいエスカレーターもペケである。書籍売り場の真ん中を、客を誘導するように設置してある、というなら多少歩かされてもまだわかる。しかし丸善丸の内本店のエスカレーターは、巨大な吹き抜けに面して、書籍売り場からはなれたところを、ぐるぐると歩き回らなければならないのである。意味なし、残念。
結局、ここはやっぱり書店用に作ったビル・フロアじゃないんでしょ?白状しなさい。

蛇足で悪いがほめてあげよう。4階の高級文具売場、ちょっと品揃えがよくて、素敵。カフェのハヤシライス、おいしいから好き。

東京駅界隈で、他に書店といえば、東京駅ビル大丸デパート5階に三省堂書店が入っている。法律書はほとんどないが、この書店には店内にカフェがある。おまけにこのカフェには代金を支払う前の、「検討中」の書籍を持ち込んで、じっくり読んでもかまわないという太っ腹ぶりである。さらにここで出すコーヒーは、うまいのである。他の書店(とくにジュンク堂池袋店)も見習っていただきたい。そういうわけで、三省堂大丸デパート店は、ツタヤ六本木ヒルズ店(ツタヤ書店とスターバックスコーヒーのコラボ)と並んで、好きな書店のひとつである。

次回はいよいよ神田神保町

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どこにあるんだ法律書3 ブックファースト渋谷店

渋谷編

青山ブックセンターがつぶれてしまった。

法律書はほとんどおいていなかったから、このシリーズで紹介することはないと思っていたが、本屋が潰れるというのは悲しい。
六本木店は、夜中まで営業している便利な店だった。僕が学生のころ、深夜営業の書店が出現して話題になったが、そのほとんどは新刊書とコミックと雑誌が中心の、少し郊外の国道沿いの書店だった。
都心で夜中に思い立って原付バイクで本を買いに行くには遠すぎたから、青山ブックセンターの六本木店には、よく世話になった。建築や美術関係の書籍が、センス良く陳列されていて、感心したものだ。
青山通りの本店も、センスのある品揃えだったとおもう。国連大学の隣、青山学院大学の向かいといえば一等地だが、表通りからはかなり奥まった地下だったし、渋谷駅からはかなり離れていたから、そこに本屋があることを知っていて目指していかないかぎりは、なかなか客足もたどり着かなかったかも知れない。なんとなく閑散としたイメージの店だった。
つぶれる一ヶ月くらいまえに買い物をしにいったが、売れ筋の新刊書を置いてなくて、ちょっと不安に思ったら、不安が的中してしまった。
つぶれた青山ブックセンターのいくつかは「流水書房」と「ブックファースト」がそのまま買い取ったようだ。これはうれしい。
流水書房は、法律書とは無縁だが洋書ではなかなか気の利いた店だ。

ブックファーストは、ジュンク堂と並んで、近時勢いのある書店だ。渋谷には東急本店前に地下一階地上五階の渋谷店がある。
渋谷で法律書を買うなら、まずここに足を向けるべきだろう。池袋ジュンク堂には及ばないし、前回酷評した新宿紀伊国屋にも及ばないのは確かだが、なかなかがんばっている。基本書は一通りあるし、分野大きなに偏りも見られない。申し訳程度とはいえ、判タ・判時のバックナンバーまで置いている。
英会話やコンピュータースクールの勧誘員がいないのも好ましい。
渋谷界隈では随一の法律書売場といっていい。

渋谷で本といえば、あそこを忘れるなとご指摘を受けそうな店がいくつかある。

まず「大盛堂」。
公園通り下、丸井の隣にそのビルはある。ビルの壁には大きく「本のデパート大盛堂」、店内には「専門書なら大盛堂」と書かれている。立地もいいし、デパートとまで言われるとつい足が向いてしまうが、残念ながら法律書はいまいちである。法律書の売り場面積が圧倒的に小さい。それだけでなくフロアの端っこにあって妙に天井が低い部分に配置されていて、気をつけないと頭をぶつけそうである。
法律書だけでなくて、この書店、あまり本を売る気がないのではないかと思わせることおびただしい。
一階は雑誌売り場だが、写真集やなどが雑然と配架されていて、ほしい本になかなかたどりつかない。「ホビー」が一階だから「趣味実用」もそこにあるかと思ったら料理や編み物の本は地階においてある。
日本文学は一階なのに、海外文学は三階、それもエスカレーター脇の端っこ、こともあろうに政府刊行物の隣の棚である。
のぼりしかないエスカレーターは壊れかけていて異音を発しているし、掃除もされていない。
それと一階だけ妙に面積が狭い。売り場脇にトラックが入る荷捌き場があるのだ。
そして二階は売り場がない。おそらくオフィスか倉庫になっていると思われる。
本というのはとても重いものだ。紙でできてるから軽いと思ったら大間違いだ。だから書店としてはきちんとした荷捌き場をつくることは理にかなっているとは言える。
しかし、客を拒絶するかのような店頭構成はいただけない。
1階と2階、このもっともマーケティング的においしい場所を、ふさいでいるとは到底物を売ろうとする意思が感じられない。なにしろ「関係者以外立ち入り禁止」の文字ばかりが目立つのだ。
まったくの推測だが、この大盛堂は、一等地にもかかわらず自社ビルで賃料がかからない、そしてどこかの図書館などの指定納入業者でそこそこ稼げるのではないだろうか。だから店頭で本をチマチマうる必要がないのだ。あそこはいわば「倉庫」なんだろう。おまけに注文された書籍は東販や日販に発注すれば翌日には届くから、在庫すらいらないのだ。
ほかに大規模書店がたくさんできた今、あえてここに本を買いにいく理由みつからない。過去の遺物というべきか。渋谷で一番嫌いな書店である。

もうひとつ、「紀伊国屋書店渋谷店」というのがある。
渋谷駅西側の駅前、東急プラザ5階のほとんどを占有する、そこそこな大規模店である。
ああ、また紀伊国屋に苦言を呈さなければならないのか。法律書売り場は残念な状態である。広いかな、と思った法律書売り場も、大半は「資格」関係の参考書である。そして法律書で一番目立っているのが「伊藤マコツのシケタイ」である。まともな法律書はそれほどおいていないし、分野に偏りがあるのが目立つ。とある分野に特化しているというのではなく「とりあえず法律の本を置いておきました」的な態度が感じられる在庫である。少ない売り場の中で、「六法」だけが妙に充実しているのが気になった。
きっと売り場担当者は法律書籍に詳しくないのだろう。
しかし、ここは渋谷だ。いまや渋谷といえば司法試験のメッカなんである。レックも伊藤塾も早稲司も店をだしていて、近時は辰巳まで進出をうかがっている。司法試験受験生は法律の専門書なんか読まないのかも知れないが、法科大学院も始まり、大学院生と司法試験受験生の境界あいまいになってきている今、法律専門を入手しうる環境には潜在的需要があると思うのは僕だけだろうか。各予備校が出版する書籍を棚四台にもわたっておいておくよりも、天下の紀伊国屋書店にはもう少しがんばってほしいと思う。

念のため付け加えると、渋谷駅東側東急文化会館に「三省堂渋谷店」があったが、文化会館取り壊しで、プラネタリウムと共に消滅してしまった。近所のビルでコミック部門だけが営業している。

あと渋谷には、西側地下街から入れる「旭屋書店」がある、雨の日も渋谷駅から濡れずにいけるから待ち合わせにはいいかもしれない。

次回は東京駅界隈の予定

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どこにあるんだ法律書2 新宿紀伊国屋書店

新宿駅から徒歩圏で生まれ育った私にとっては、本の街といえば新宿、新宿と言えば本屋とヨドバシカメラの街であった。

自宅から一番近い書店は、小田急デパート11階にある三省堂書店だった。
胸くらいの高さの書棚のうえに、さらに建て増しする形で書棚が上のほうまで継ぎ足してあった。足元から胸の高さまではたて積みで、胸の高さのところに平積みのスペースがあり、またそこから上部はたて積みに陳列されるという変則的な書棚だったから、書籍の収納数が多く平積みの本が目の前に並んでいて本選びが楽しかった。「ノート」をとるのにもちょうどいい高さだったし、従業員が忙しすぎたのか寛容だったのか、座り込んで本を読んでいてもなにもいわれなかった。中学生のころはここで本を立ち読みするのが大好きだった。
高校生になると生意気にも、本を購入してから喫茶店で買ったばかりの本のページをパラパラと眺めるなんてこともやりだした。当時三省堂書店のすぐ横に大きな窓がある喫茶店があって、窓際の席に座ると西口のロータリーとスバルビルの向こうの高層ビル、そして高層ビルの間に沈む夕日がなんとも綺麗でとても大好きだった。
その喫茶店も小田急デパートのリニューアルで書店が10階に移動すると同時になくなってしまい、夕日を浴びながら本を読むという至福の時間は奪われてしまった。
ちなみに最近の再リニューアルで、10階の三省堂書店よこに昔のような喫茶店が復活した。きっと以前の喫茶店にたくさんのファンがいて要望が多かったに違いない。皆さんも一度いってみてください。
リニューアルした三省堂書店は普通の書店になってしまった。法律書も多くないからここではこれ以上取り上げない。三省堂はそのうち神保町本店についてコメントするつもりである。

個人的なノスタルジーは別として、新宿で書店といえば「紀伊国屋」である。
新宿駅東口から新宿通りを伊勢丹に向かって徒歩二分、新宿本店がある。
地下と1階の奥には化石や地図の専門店があって、おまけに五階にはホールまであって、書籍だけじゃないなにか特殊な雰囲気が漂う書店である。道路に面してエスカレーター、その横には新刊書売り場がある。この売り場、たしか昔は雑誌売り場だったと思う。でもいまは中止になった新宿歩行者天国から流れてきた客の冷やかし立ち読みに音を上げたに違いない、雑誌はエスカレーターを上った2階に移動してしまった。
エスカレーターといえばこの書店には、下りのエスカレーターが存在しない。
雑誌でタウンガイドやグルメ情報を立ち読みしようとエスカレーターで2階に上がると、もう降りられないのである。そこで油断してつい目の前の上りエレベーターに乗って3階にあがる、そこにも下りのエスカレーターはない、また油断して4階へのエスカレーターにのってしまうと、こんどはもうエスカレーター自体がなくなってしまう。上でも下でも移動したければ、混雑する店内の狭い階段か、もっと混雑するエレベーターを使わないといけないのである。
このエレベーターが3台あるのだけれども、小さくて狭いことこの上ない、狭いうえになんとエレベーターガールまでいるので、なおさら狭くなる。ここにエレガはいらないんじゃないかと思わせること、銀座伊東屋のエレベーターガールに次いで理不尽な印象である。
そうはいっても上手いぞ紀伊国屋、一度足を踏み入れた客は簡単には帰さない、よっ商売上手。ところが店内は油断して足を踏み入れてしまった客でごった返しているのでメチャ混みで、本選びどころではなくなっていることにも気づいてほしいところである。と、切に思っていたところようやく気づいてくれたのかどうか、新宿南口にもう一店、大規模な「南店」を出店したのが一昔ほど前のこと。本店前の道を南口方面に、ぱちんこ屋、ゲームセンター、成人映画館、成人玩具店、場外馬券売り場、ヴィクトリアスポーツ、など混沌とした町並みを通って徒歩15分、なんとも中途半端な距離に「南店」がある。

紀伊国屋書店新宿南口店は高島屋タイムズスクエアにある新しいビルだから、エスカレーターも上下についてるし、面積も広いし、本店よりもゆったり本が選べる。ただし客が少ないのは売り場面積よりも立地の問題かも知れない。高島屋タイムズスクエアは確かに新宿南口にあるのだが、ここは新宿南口をでたら一つしかない狭い横断歩道を渡って、高島屋デパートを抜け、東急ハンズを抜け、渡り廊下を渡ってやっと到着するというロケーションである、「新南口」を使えば少しはましだが、「新南口」自体が新宿駅の端っこの埼京線のホームのさらに端にあって利用頻度は低い出口である。

ここまできたらJR代々木駅のほうが近いんじゃないかと思ったら、まさにそのとおり、南店の目の前にはもう代々木駅のホームが見えているのである。店の一階出口前にも「代々木駅300メートル、新宿駅500メートル」という案内板があるから、この事実は紀伊国屋も認めるところであろう。

さて、本店1500坪、南店1234坪、あわせて2500坪超と、とてつもなく大きい新宿紀伊国屋だからとてつもなく品揃えがいいかというと、あにはからんや、そうでもないのである。「新宿紀伊国屋書店」とひとくくりにしてしまいたくなる微妙な近さだが、南店は本店の出城ではなく独立した支店なので、本店と同じように一通りの商品バリエーションを備えている。それも1000坪超の大規模支店だから洋書から法律書から学習参考書までなんでも置いている、ということはつまり、本店と商品がダブっているのだ。

法律書売り場にもその傾向は見て取れる、本店と南店で在庫の傾向は違うのだが、いまいち品揃えがよろしくない。そもそも、ビジネス書と法律書をごっちゃにして並べているので、純粋な法律書の売り場面積は驚くほどすくない。ジュンク堂だと図書館でしかお目にかかれないような書籍を売っていたりするのだが、紀伊国屋ではほとんどそういうことはない。
本店1500坪、南店1234坪、つまり新宿には池袋ジュンク堂2000坪にかなわない紀伊国屋書店が二店もあるということだ。

ありきたりな書籍はどちらの店にも置いてある一方で、在庫の少ない本はどちらかにしかないことも多い。南店で在庫がない本も、本店には在庫があることもある。カウンターで照会すれば調べてくれるが、本店では取り置きをしてくれるだけで、持って来てはくれない。本店まで一キロ近く歩くか、代々木駅から一駅電車にのるか、どっちにしてもなんか馬鹿らしくなってしまうのだ。

どうせなら、洋書なら南店、法律書なら本店、理工系なら南店、学習参考書は本店などなど、割り切って特化してもらえないだろうか。そうすれば面積は同じでも在庫を圧縮できるから、レアな在庫を数多く置くことができるはずだし、池袋ジュンク堂に対抗できるようになるのではないだろうか。

いっちゃ悪いが池袋はイメージが悪い、知的な印象がまったくない、本を買出しにいくのに池袋か新宿かとなれば、普通は新宿に足が向くはずなのである。だから新宿にある天下の紀伊国屋は、安泰なはずなのだ。なのに僕は勤務帰り新宿を通過して池袋のジュンク堂に行ってしまう。おまけにこの冬には、ジュンク堂が新宿に進出するという。旧三越新宿店跡のビルに入るというから、紀伊国屋を上回るような面積は取れないはずだが、池袋店のような割り切った売り場構成を仕掛けてきたら紀伊国屋はいよいよ敗北してしまうかも知れない。

それと、紀伊国屋書店の店内には椅子がない。いまどき一個の椅子もないなんてどうかしている。新宿駅から散々歩いて、広い店内をたくさんあるいて気分が悪くなっても、店内に喫茶店すらないので、トイレ以外では腰を下ろす場所が皆無なのだ。どうにかしてほしいものである。

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どこにあるんだ法律書 1 ジュンク堂

どこにあるんだ法律書

 みなさんこんにちは、このシリーズでは、法情報学の第一歩、法律書の買い方の基本中の基本、「本屋はどこにあるんだぁ」という点について、手始めに私の馴染んでいるところから順を追ってご紹介することにしましょう。
 え、なんでそんなことをするのかって?それがね旦那、法律の専門書ってのはなかなか本屋で売ってないんですよ、でかい本屋ならいいかっていうとそうでもなくて、いくら売り場面積が大きくても法律書なんてあんまり売ってないんですな、これが。とくに今年勢いあまって法科大学院に入っちゃった法学未修のひとなんて、駅前の文教堂とか旭屋書店とかくまざわ書店とかに行って、法律書はあんまりないなあと思っているかもしれませんね。
 近頃はネットショッピングも身近になっているので、少ない労力で確実に本を入手するなら、書店に足を運ぶよりも、ネットの方がよほど効率がいいです。しかしそれでは内容の確認ができないので、入手すべき本が決まっていればいいのですが、そうでなくて、ある分野の資料を探しているというような場合には、やはり本屋に、それもたくさん種類のそろった本屋に行くことが絶対に必要ですね。
 ネットで検索して、自分が入手したらよさそうな本のめどを付けて本屋に行けば、その本の隣には、類書が並んでいます。いろんな著者が少しずつ違う視点で執筆してある類書をぺらぺらと見てみるだけで、いままで自分が気がつかなかった資料がが見つかるかもしれません。
 いざ、ネットを捨てて書店へいこう!   (あ、図書館でもいいんだけどね、でも図書館には新しい書籍はあんまりないですからね)

第一回 ジュンク堂書店池袋店


池袋東口から明治通りを南に行ったところ、JR山手線をくぐるびっくりガードへの交差点に面してジュンク堂書店があります。
変わった名前の本屋ですが、その由来は創業社長だかその父親だかが工藤淳という名前で、それをひっくり返してジュン・クドウ、そのこからジュンク堂になったらしいです、はい、裏付けは取れてません、でも日経新聞「私の履歴書」にジュンク堂の社長がそう書いていたような気がします。デマだったらごめんなさい。現社長は確かに工藤さんのようですが、ジュンク堂を漢字表記すると「淳久堂」なのはなんでだろう(一階看板にそう表記してある)。
 名前の由来はともかく、ジュンク堂の特徴といったら、売り場面積(池袋店だけで二千坪)のみならず、専門書の充実ぶりが挙げられます。もちろん法律書売り場も目を見張るような充実ぶりです。わたしは法律書を買う際に、ここで現物にお目にかかれなければいったんあきらめて、特殊専門書店(後日言及)に行くか、ネットでの購入を検討します。

図書館みたいなたて積み陳列
 ジュンク堂の法律書売り場の特徴は「平積み棚が無い」ということでしょうか。つまり全部の本が図書館のようなたて積み本棚にそれも猛烈に背の高い本棚に陳列されています。一般の書店にあるように、本が表紙をさらして何冊も積んであるということはありません。よほどの売れ筋書籍で無い限り一冊しか陳列していないので、売り場面積あたりの陳列点数が非常に高くなります。書店全体の面積でいえば新宿紀伊国屋書店などに比べてはるかに及ばないものの、在庫書籍が豊富なのはこのたて積み本棚による陳列が大きな原因でしょう。もとより法律書の表紙なんておおむねデザイン能力の欠如した編集者が片手間でデザインしてますからあんまり見たくないですよね。パケ買い(表紙をみて思わず手に取って買ってしまうこと)なんてのは法律書ではあんまり考えられないですからね。

はじめから購入する書籍が決まっているとか、探している分野の本が一冊しかなかったとか言う場合には、そのまま手にとってレジへ直行すればいいのですが、在庫する書籍の種類が多いと、どれを購入するか選ぶ作業が必要になります。たいていはパラパラとページをめくって選ぶわけですが、ジュンク堂にはなんと、本を選ぶための椅子と机が売り場の横に用意されているという大盤振る舞い。ほとんど図書館代わりに使えますね、使っちゃいけませんけどね。

英会話勧誘員がいない
 あとジュンク堂に特筆すべきてんがあるとすればそれは「英会話教室の客引きがいない」ということでしょうか。みなさんもご存知ですね。もっぱら語学書売り場の近くに机をだして、地味な制服をきたおねーさんが道往く人に「英会話に興味はありませんか?」って話しかけるあのセールスです。わたし、これが大嫌い。これにつかまっちゃうと時間は取られるし、会話が始まった以上無碍には立ち去れないし。基本的に私がいい人なんですね、むげに立ち去れない、特に美人だと、んー、単にスケベなだけですかね。
 ともあれ、興味のない英会話教室の話を聞いてくれませんかくれませんかって非常に鬱陶しいことこの上ない英会話勧誘員、あれのテリトリーにおいてある本が見たいのに近づけないなんとこともしばしばです。とりわけ法律書売り場と語学売り場が近い書店(神保町三省堂、池袋旭屋書店等)の場合は最悪です。最近は英会話じゃくてパソコン教室という新種もいるので、法律書と理工書の売り場が近い書店(新宿紀伊国屋本店、南店等)の場合もちょっとやですね。
 そのやだやだな勧誘員ですが、なんとジュンク堂にはいないんですねこれが。だからゆっくり本が選べる、おんなじ場所を何回でも巡回できる。非常に気持ちよく本が選べます。もうこれだけでもジュンク堂をお勧めしたいくらい。
本屋の鑑ですな。


○ジュンク堂の良い点
法律書に限らず、ディープな在庫がおおい
購入図書を検討する椅子と机がおいてある
西武百貨店図書売り場(リブロ)を経由すれば雨が降ってもほとんど濡れずにたどり着ける
売り場店員が良く勉強していて、商品知識が豊富、対応もおおむね親切。
売り場の間取りが比較的単純で、動きやすい。
四階にカフェがあるので、疲れたら寛げる。書店の隣にはスターバックスもある。
うっとうしい英会話・パソコンスクールの勧誘員がいない(少なくとも法律書売り場には)

○良くない点
駅から近いとはいっても改札からは結構歩く
車で行くには池袋は混雑しすぎで回りにも駐車場がなさすぎ
たて積み書棚はいいけれど手持ちの書籍をちょっとおいておくスペースがないので、結構不便。検討用の机と椅子はエスカレーターのあたりにしかないので、そこまで持っていくのが億劫な場合あり。おまけに椅子はいつも満席。あんなに立派じゃなくていいから、もっと数を増やして、いろいろなところにおいてほしいな。椅子よりも立ったまま利用できる高さの机がそこここにあったほうが便利かも。
四階のカフェには、ワインはあるのになんとビールがメニューにない、まあいいか。
トイレが狭い、まあほかの書店もたいして変わりませんが。わたしはなぜか書店ではトイレに行きたくなるのであります。

追記
ジュンク堂法律書売り場にもうひとつ苦言を呈したい。
それは「法務」「労務」「起業」関係の法律書が、メインの法律書売り場からかなり離れたところにあるということだ。「法務」「労務」はおそらく会社経営の関係であるということで、経営学関係の棚の近くに、「起業」はビジネス書の近くにある。法律書の重要なテーマである「コンプライアンス」とか「会社設立」などの本が法律書売り場にないというのはいかがなものか。また労働法の本を探していてどうも品揃えがかたよってるなあ(労働組合運動の本ばかり)とおもったら、肝心の労働法の本は遠く離れた「労務」の棚にあることに気づくまでだいぶ時間がかかったこともある。
経済学の書籍が妙に法律書売り場の壁側にあるのだが、これこそビジネス書や経営学関係の棚のほうに移動して、法務関係などの本はもっと法律書棚に近づけてもらいたいものである。(2004.7.9)

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